「破綻を起こした者の責任を追及する」とバイデン大統領は言うが…

バイデン大統領は、この破綻を起こした者の責任を追及すると約束しました。「このFDICからの補償額について、アメリカの納税者がかぶるということは決してない」と米政府はたびたび強調しています。リスク管理が十分でなかった経営陣の責任はきちっと追及してもらいたいものです。

具体的にどう責任追及がなされるかは現時点ではわかりませんが、とりあえず$22.5ビリオンがFDICの基金から支払われ、この穴はFDICのメンバー銀行が埋めることになると思われます。

FDICのメンバー銀行は定期的に課されるFDIC保険料を納め、これがFDCIの基金としてプールされています。また、このプールされる基金の目安(業界全体の預金額に対する一定パーセンテージ)が決められていて、昨今ではそもそもこの基準額を下回っていたことが問題視されている状態でした。そこでさらに今回の破綻による大きな補償で、基準額への開きが大きくなります。

そんなわけで、今後メンバー銀行が納める保険料が増額されると予想されています。そうなると、その増コスト分は、顧客に還元される利子の削減とか、銀行手数料の増額という形で一般預金者に跳ね返ってくる可能性が高いのです。

ちなみに、アメリカの銀行には実にさまざまな手数料が設定されています。この点だけでも一つの記事になってしまいそうなくらいです。

日本ではATM手数料や時間外手数料、振り込み手数料などがあるようですが、これらに加えアメリカでは、口座の残高が一定以下になると課される月額メンテナンス手数料とか、デビットカードや小切手などで使い過ぎて銀行残高がマイナスになると課されるオーバードラフト手数料、ペーパーでの銀行明細を希望したときの明細発行料金、一定期間以上口座の中でお金の出し入れがなかった時のドーマンシー(眠っているという意味)口座料金、定期口座でお金の出し入れが多すぎた時の超過アクティビティ料金、口座を開いて一定期間(通常3から6か月)キープしなかったときの早期口座閉鎖料金などなど、ありとあらゆる手数料があります。それぞれ数十ドル(数千円)レベルでかかります。預金もうまく管理しないとかなり高くつくことになるのです。

一般市民の税金が使われないと聞くと安心ですが、でも銀行の手数料がこれ以上上がるのも困りものです。繰り返しにはなってしまいますが、リスク管理を怠った経営陣の責任をきちんと追及してもらいたいと願うばかりです。