<前編のあらすじ>

愛人関係にあった男性との間に子どもをもうけ、生活費の支援を受けながら暮らしている女性もいます。未婚の母は日本では少数派とされますが、背景にはさまざまな事情があり、生活が成り立っているケースもあるのです。

しかし入籍ができない以上、その関係に保証はありません。長年支援を受けていた男性が突然亡くなり、鈴木理子さん(仮名)は住まいを失いかねない状況に。

将来に不安を抱え、彼女は結婚相談所に入会しました。

●前編:「入籍はできないけれど、面倒は見る」愛人という立場で子どもを産んだ女性にやがて忍び寄る葛藤と不安

母親が愛人関係にあった場合

鈴木さんのように、愛人関係にある立場の人は、法的な保証が乏しく、弱い立場に置かれがちです。

男性が病院の集中治療室に入ったり、危篤状態になったりしても、そばにいることは許されない場合があります。お葬式にも参加できない場合があります。

もちろん、その後の生活についての保証もありません。そうした立場である以上、生活は不安定になりやすいのです。

田中由美子さん(仮名)は、母親が愛人関係にあった立場でした。

父親は某社の社長、母親はその会社の事務員だったそうです。父親には妻と息子、娘がいましたが、母親と親密な関係となり、女の子が生まれました。それが由美子さんです。

父親は毎日家にやってきて夜中に本宅へ帰る生活を続けていましたが、あるときから母親の家で暮らし始めました。由美子さんの記憶では、幼稚園の頃には父親が家にいたそうです。由美子さんも父親にかわいがられ、一緒に遊ぶことも多かったとのこと。そんな父親は、由美子さんが小学生の時に亡くなりました。

由美子さんは父親に胎児認知をしてもらっていました。これは婚姻関係にない男女の間に生まれる子どもについて、父親が胎児の段階で、自分の子どもであると法的に認めることです。