債権者説明会で明かされた絶望的な現実
しばらくして、破産管財人の弁護士による債権者への説明会がありました。その際に分かったのですが、施工会社は数年前から人件費や資材費の高騰などで相当額の負債を抱え、自転車操業の状態が続いていたそうです。そこで支払いや借入金の返済に充てるために格安の料金で受注をしており、結果として我が家のような放置案件が増えたようでした。
しかし、会社に不動産も含めて資産がほとんど残っておらず、返金の見込みは全く立っていないとのことでした。
会場には我が家と同じようにローンの支払いを抱えている人が何人もいて、「ふざけるな」、「金返せ」といった怒号が飛び交っていました。
口にこそ出しませんでしたが、私も全く同じ思いでした。
そうしている間も毎月、給料からローンが引き落とされていました。家は建たないのですから、お金をどぶに捨てているようなものです。しかも、返済額を抑えるために変動金利型のローンを選んだため、この先金利が上がってきたら返済額はさらに膨らみます。
一家が下した苦渋の決断とは
やむなく購入した土地を売却し、その代金をローンの返済に充てることを提案したら、歩に猛反対されました。歩は“幻のマイホーム”を諦めきれていなかったのです。そのエリアに住むことを前提に海人の幼稚園も探し、「絶対ここに通わせたい」と思える理想の園を見つけていたようでした。
しかし、こちらとて悠長に構えてはいられません。地元の弁護士会による被害者救済相談を利用したところ、既に購入した土地については固定資産税がかかってきて、さらに、更地のままだと「住宅用地の特例」が適用されず、家が建った土地に比べて税額が3~4倍になると聞かされました。住宅地の土地なので、雑草取りなどのメンテナンスも欠かせません。
住んでもいない家の住宅ローンと割高な固定資産税を払い続けるなんて、あり得ない!
不幸中の幸いか引き合いの強いエリアの土地だったので、双方の親にも相談した上で、義両親に歩を説得してもらって強引に土地の売却を決めました。両親や義両親が、「大変な時なんだから、土地の購入用に贈与したお金はそのまま使ってもらって構わない」と言ってくれたことが大きな救いになりました。
土地は購入後1年も経たないうちに売却したにもかかわらず、不動産市場高騰の影響か8%近く値上がりしていたのもうれしいサプライズでした。“焼け石に水”ではありましたが。
結果的に、住宅ローンは残高を7桁に圧縮することができました。とはいえ、当面は支払いが続きますから、給料やボーナスが上がっても、その分を返済に充てていくことになりそうです。
