FOMCの振り返り 

FOMCを詳しく振り返っておきます。今回、予想通り利下げが見送られました。但し、ウォラー理事とボウマン副議長が反対票を投じました。2名もの反対票が出るのは1993年以来です。パウエル議長は次回9月の利下げに対するヒントを出しませんでしたが、今後の政策はデータ次第であると強調しており、9月利下げに含みを持たせたと見ることができますが、ただ、市場では利下げの織り込みが大きく後退しました。

例えば、FOMC前日における9月の利下げ確率は69%でしたが、FOMC後に45%まで低下。年内の利下げ回数についても同様に1.9回から1.4回まで低下しました。ところが雇用統計、それぞれ84%、2.3回まで増加しています(4ページ)。

 

 

 

米国の労働市場に関して、これまでにもご紹介した事のある指標をみておきましょう。求人件数が失業者の何倍あるのかを示すものです。2022年には2倍でしたがその後、低下トレンドが続いており、労働市場が緩やかな減速傾向にあることがわかります。今回の雇用統計も踏まえると9月の利下げの可能性が高くなったと考えられます(5ページ)。

 

 

今後のFOMCに関連する日程も確認しておきましょう。8月21日から23日にかけてカンザスシティー地区連銀が経済シンポジウムを開催します。開催場所にちなんでいわゆるジャクソンホールと呼ばれるイベントです。ここでパウエル議長が9月の利下げに向けてどのようなメッセージを出すのか注目です(6ページ)。