事業見直しで利益改善 今期は営業増益も、構造改革で純利益は半減

続いて業績を確認しておきましょう。

グンゼは16年3月期に純損失を経験します。アパレルの好調などから営業増益でしたが、為替変動による損失および電子部品事業の減損損失などから最終赤字となりました。

以降は、コロナ禍の影響を受けた21年3月期を除き、おおむね順調です。売り上げは横ばいながら、利益は増加傾向が見られます。構造改革で不採算事業の整理が進んだことから、利益率が改善している様子がうかがえます。

グンゼの業績(2016年3月期~2025年3月期)を表した図表
 
出所:グンゼ 決算短信より著者作成
 

今期(26年3月期)も増収および営業増益を見込みます。売上高は事業拡大に取り組むメディカルが、利益はOA市場向けのシェア拡大を見込む機能ソリューションがけん引する予想です。ただし、構造改革費の計上を予定することから、純利益は大きめの減益を計画します。第1四半期の決算は8月6日に公表される予定です。

【グンゼの業績予想(2026年3月期)】

・売上高:1400億円(+2.1%)
・営業利益:85億円(+7.3%)
・純利益:28億円(-55.4%)
※()は前期比
※2025年3月期時点における同社の予想

出所:グンゼ 決算短信

文/若山卓也(わかやまFPサービス)