24年10月から下落トレンド 関税ショックからは回復

九電工の株価は2022年ごろに上昇トレンドを迎えました。24年4月には上場来高値7139円をつけています。同年8月の日本株の急落局面でも、比較的短い期間でほぼ値を戻しました。

しかし、24年10月ごろからは値下がりの傾向が強まります。当時(25年3月期)の中間決算公表後、株価は前日比で12.9%下落しました。営業利益は前年同四半期比で33.3%増と好調でしたが、同第1四半期(同113.4%増)からは大きく減速しており、市場の期待を下回ったと考えられます。

なお、足元では反発しています。25年4月のトランプ関税では4209円まで売られたものの、以降は値上がりの傾向となり、現在は5800円台で取引されています。5年騰落率は91.1%まで回復しました。

【九電工の株価チャート(過去5年間)】
・株価:5809円(2025年6月23日終値)

九電工の株価の動きをグラフで表した図表(過去5年間)
 
出所:Tradingview
 

安値からは値上がりしていますが、配当利回りは比較的高い水準です。今期(26年3月期)は1株あたり180円の配当金を予想しており、配当利回りは3.10%となります。NISAの成長投資枠なら400株まで投資でき、配当金は計7万2000円を非課税で受け取れる計算です。NISA以外の場合、税率およそ20%で課税されるため、手取りは約5万7600円となります。

【九電工の予想配当利回り(2026年3月期)】

・予想配当金:180円
・予想配当利回り:3.10%

出所:九電工 決算短信

とはいえ、多くの人は九電工のことを知らないかもしれません。業界では大手ですが、同社のサービスは消費者へ直接届くものではないため、知名度は高くないと考えられます。

九電工はどのような企業なのでしょうか。事業内容と業績を解説します。