「人でなしの兄の一族には一銭も残さない」
この件があって改めて従業員に話を聞き、数年前からその団体の関係者と思われる人たちが頻繁に叔母を訪ねてきていたことを知りました。高齢になった叔母は自分が親族から見放されたかわいそうな老人だと吹聴していたらしく、それを聞きつけた件の団体の関係者が「大丈夫、私たちがしっかりあなたのことをサポートして事業の方も面倒見ますから」と付け入ったようです。
古参の従業員が叔母の遺言書の存在を指摘したのは、叔母自身が生前、その従業員に「人でなしの兄の一族には一銭たりとも財産を残さない。もう遺言も書いてある」とほのめかしていたからでした。
遺言書の話はあっという間に広がったようです。従業員からはオーナーが変わることで事業所がどうなるのか不安の声が寄せられました。父の実家は古くからの居住者が多い地域にあり、近所の人からも「工場潰してマンションが建ったりしないよね」と言われています。
母はショックで寝込んでしまいましたが、私たちきょうだいとしては、このまま引き下がるわけにはいきません。今は一緒に戦ってくれる弁護士を探しているところです。
※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。