私たちがトランプ氏に対して持つべきロジックは?
ではどんなロジックを持っていれば、「気にしない、気にしない」と思えるのでしょうか。
トランプ氏について言えば、彼の一挙手一投足はまだまだ日々のニュースを飾るでしょう。でも第一次政権の時のように、いずれ短期的な市場参加者にとっての「トランプ離れ」、「トランプ慣れ」、「トランプ飽き」といった状況が訪れるような気がします。
もちろん話題の関税が(市場参加者の連想ゲームに留まらず)米国の実体経済を著しく痛め、あるいは企業業績を悪化させ、それらの株価が「真の下落」を見せる可能性はあります。
しかし、トランプ氏の政治的野心を考えると、「彼が米国の株価が崩壊するようなことをし続けるだろうか?」といった大きな考え方も持っていていい気がします。
実は足もとでは、「トランプ政権は株価の下落を気にしていないのでは?」という疑念が市場参加者を不安にしているのですが、少なくとも2年後の中間選挙をメチャクチャな経済状態で迎えようとはしないだろうと考えることは、そう間違っていない気がするのです。
実際、米国にはそのための「打ち手」があります。金融政策としての利下げ余地です。インフレを抑え込むために上げてきた政策金利は、昨年9月に利下げに政策転換したとはいえ4%台の比較的高い水準にあります。景気がいよいよ心配になったら利下げを行なう「のりしろ」があるということであり、これは日本にはない強みでしょう。
●米国のインフレと政策金利の推移

期間:2000年1月末~2025年3月末 信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成。データは過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。
さて、NISAの2年目にして訪れたやや難しい局面ですが、今後の長い旅路のためには早めのいいレッスン機会なのかもしれません。「残念ながらマーケットはひとつ」という大きな考え方のもと、自分なりの大きめのロジックで世の中の情報を峻別しつつ、頑張っていきましょう。