もし、明日大切な人が突然いなくなってしまったら――。60代のそらさん(仮名)は、予期せぬ兄の死を経験し、終活の必要性を痛感しました。その体験談を通して、私たちがいつか直面するかもしれない課題と、その向き合い方を考えます。

<そらさんプロフィール>

女性
60代
中国地方在住
パート・アルバイト

両親の遺品整理中に起きた突然の出来事

「兄の急逝は、私にとって大きな衝撃でした」と語るそらさん。

その出来事は、そらさんは空き家になった実家について兄と話し合いをしていた時期でした。当時、兄の都合もあり実家の整理は思うようには進まなかったといいます。

「両親が亡くなった後、相続は放棄したものの、仏壇をどうするか、遺品の整理をどう進めるかはずっと懸案事項でした。兄は『そのうち片付ける』と言いながらも、忙しさにかまけて、なかなか手をつけられない様子でした」

その後、そらさんは時間に余裕ができ、少しずつ遺品の整理を進めていました。

「私も定年を迎え、時間に少し余裕ができたので、週に1度は実家へ足を運び、少しずつ整理を進めるようになりました」

これでようやく実家の整理が進むと思われた途端、そらさんは頼りにしていた兄を突然亡くしてしまいます。

「年の離れた兄は、まるで父親のような存在で、時には厳しく、時には優しく接してくれました。兄は70代とはいえ、まだまだ元気でいるものと思っていたのに、突然いなくなってしまうとは思いもしませんでした」