金融経済教育の経験が投資判断に影響を与える可能性

一方で、金融経済教育の経験なしの人の特徴を見ていこう。

「金融経済教育の経験なし」投資家の「つみたて投資枠」購入理由ランキング

1位 海外の成長性への期待 34.5%
2位 基準価額(株価)の上昇が見込まれるから 30.4%
3位 ポートフォリオ(保有銘柄)の多様化のため 17.7% 
4位 配当金/分配金が魅力的な銘柄だから 15.6%
5位 日本国内の成長性への期待 12.2%

トップは「海外の成長性への期待」34.5%、次いで「基準価額(株価)の上昇が見込まれるから」30.4%と、経験ありの人とは順位が逆転している。

前述どおり、経験ありとなしで違う点は回答の割合についてだ。「ポートフォリオ(保有銘柄)の多様化のため」では約8ポイント、「配当金/分配金が魅力的な銘柄だから」では約6ポイントほど経験ありの人の方が高い回答率を示した。

これらの結果は、金融経済教育を受けた投資家が多様なポートフォリオでリスク分散を図る有用性や、売却益だけでなく配当金や分配金というインカムゲインの重要性をより深く理解していることを示唆する。

調査結果は金融経済教育の経験が投資判断に影響を与える可能性を示している。と同時に、市場の混乱時などに冷静に対処できる投資行動につなげる金融経済教育のより一層の充実が求められる。市場は常に変化する。投資家には主体的な情報収集が欠かせない。

●気になる成長投資枠ではどうなのだろうか。後編 私たちが新NISA「成長投資枠」で買った理由ランキング【7610人の1年目総括】で詳報する。

調査概要:「新NISA開始1年後の利用動向に関する調査結果(速報版)」 調査主体:日本証券業協会 調査対象:2024年に新NISAで金融商品を購入した7610人 調査時期:2025年1月 調査方法:インターネット調査