「ポートフォリオ(保有銘柄)の多様化」に差
金融経済教育の経験別でみると顕著な違いが現れた。詳しく見ていこう。まずは金融経済教育を受けた経験がある投資家の「つみたて投資枠」での購入銘柄を選んだ理由からだ。
「金融経済教育の経験あり」投資家の「つみたて投資枠」購入理由ランキング
1位 基準価額(株価)の上昇が見込まれるから 34.4%
2位 海外の成長性への期待 33.9%
3位 ポートフォリオ(保有銘柄)の多様化のため 25.5%
4位 配当金/分配金が魅力的な銘柄だから 21.1%
5位 物価上昇(インフレ)対策 19.2%
トップとなったのは「基準価額(株価)の上昇が見込まれるから」(34.4%)。利益を追求すると同時に、3位の「ポートフォリオ(保有銘柄)の多様化のため」(25.5%)からはリスク分散のための方策を図っていることが伺える。
この「ポートフォリオ(保有銘柄)の多様化のため」という理由を選んだ割合の違いこそが金融経済教育の経験の有無で違いが顕著な例だ。経験ありの人は25.5%、経験なしの人の17.7%を約8ポイントも上回っている。つまり、金融経済教育を受けた経験が分散投資の促進に寄与している可能性があると考えられる。
市場には浮き沈みがある。その点、多様なポートフォリオを有していれば、特定の資産が下落した場合に他の資産がその損失を補う役目を担う効用が期待できる。金融経済教育の経験者はこの点を理解して商品選択をしているのかもしれない。
また、金融経済教育の経験ありの人は多くの項目で、経験なしの人よりも購入理由を回答した割合が上回っている傾向にある。そのため金融経済教育の経験に基づいて投資判断を行っている可能性があると考えられる。