2024年中に新NISAで金融商品を購入した全国の10代~70代の男女7610人を対象に実施された「新NISA開始1年後の利用動向に関する調査結果(速報版)」(日本証券業協会)。同調査では購入・売却金額や銘柄数、購入・売却商品とその理由や損益などを聞いている。そのうち年収300万円未満の人たちの「つみたて投資枠」(2206人)、「成長投資枠」(1999人)の投資額について傾向を見ていこう。

【年収300万円未満】つみたて投資枠1位「5万円未満」が4人に1人

調査によると、年収300万円未満の人のつみたて投資枠の購入金額は、「5万円未満」が25.3%と最も多かった。仮に年間5万円として計算すると、年初から積立を開始していた場合は月額約4000円の積立額となる。

 
出所:日本証券業協会「新NISA開始1年後の利用動向に関する調査結果(速報版)」
 

【年収300万円未満】「つみたて投資枠」購入金額ランキング

1位 5万円未満 25.3%
2位 10万円~20万円未満 16.3%
3位 20万円~40万円未満 15.5%
4位 5万円~10万円未満 12.6%
5位 120万円 9.7%
6位 40万円~60万円未満 8.9%
7位 60万円~80万円未満 4.5%
8位 100万円~120万円未満 4.1%
9位 80万円~100万円未満 3.2%
(n=2206)

1位から4位までをトータルすると「5万円未満~40万円未満」で約7割を占める。年収300万円未満でつみたて投資枠を活用している人はおおむね少額投資から始めている人が多いようだ。

一方で、5位は「120万円」の満額回答が9.7%と約1割。月にならすと10万円の積立額となる。なお同調査の年収300万円未満を性別・年代ごとに見ると、男性20代以下では27.6%である一方、男性60代では36.2%、70代では50.2%となる。つまりこの120万円満額回答の一部は、リタイア後に年収が300万円未満となっている層である可能性もありそうだ。