総務省統計局の「労働力調査(基本集計) 2025年(令和7年)2月分」(2025年4月1日発表)によると、就業者数は6768万人となり、前年同月と比べて40万人の増加を記録。31カ月連続での増加となりました。

また、完全失業者数は165万人で前年同月と比べ12万人の減少。完全失業率(季節調整値)は2.4%と、雇用環境の着実な改善がデータによって裏付けられています。

このように明るい兆しが見える2025年の雇用市場は、これまで転職に躊躇していた山田美咲さん(仮名)にとっても大きな後押しとなっています。

「このままでいいの?」年収480万円・30代女性が抱いた迷い

神奈川県横浜市在住の山田美咲さん(34歳)は、年収480万円のIT企業のプロジェクトマネージャーとして働いています。夫(36歳)と5歳の娘との3人暮らし。昨年末から転職を決意し、現在は新たなキャリアへの挑戦を準備中です。

「今の会社での勤務歴が長いこともあって、これまで転職には踏み出せずにいました。でも、最近は求人も増えているし、リモートワークと出社を併用するハイブリット勤務を導入している企業も多いので、働き方の選択肢が広がっていますよね」と山田さん。

「特に私が注目しているのは、副業・兼業を認める企業が以前と比べて増えていること。まずは副業から始めて、徐々に新しい分野にシフトしていく選択肢もあるんですよね。リスクを抑えながら新しい挑戦ができるのは安心です」

山田さんが転職を考えるきっかけとなったのは、昨年参加した30代のキャリアデザインに関するオンラインセミナーでした。

「講師の方が『人生100年時代、一つの会社や職種にこだわる必要はない』とおっしゃっていて、目から鱗が落ちる思いでした」

現在の職場では、プロジェクトマネジメントの経験を積んできましたが、より専門性を高めたいという思いが強くなってきたといいます。

「今の会社での経験は大切です。でも、このまま同じ環境で続けていていいのかな、と考えるようになりました。特に、データサイエンスの分野に興味があって。実は休日を使って、統計解析の勉強を始めているんです」