仮にリーマンショック級のことが起きたとしても“耐えられるか”を考えてみて、自身の“許容度”の再点検を

正直、今の環境下で株価がどこまで下がるのかは、分かりません。

ただ、過去において米国株式市場にショックが生じた時の下落率をベースにして、この先、どの程度の損失を被る恐れがあるのかを、おおまかに見当づけることができます。

ここではショックによって株価が急落する直前の高値(終値ベース)から大底までの下落率。そして大底から、株価が急落する直前の高値(終値ベース)まで戻す期間を計算してみました。

・ブラックマンデー・・・・・・▲33.25%(約1年9カ月)
・ITバブル崩壊&同時多発テロ・・・・・・▲49.14%(約4年7カ月)
・リーマンショック・・・・・・▲51.92%(約4年4カ月)
・コロナショック・・・・・・▲29.39%(約5カ月)

過去、一番ひどかったのがリーマンショックの▲51.92%でした。これを今のマーケットに当てはめて、たとえば今月中にそれだけの下落が生じたと想定してみましょう。

仮に「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の月初の基準価額が高値をつけた、2025年2月に3万4065円から51.92%下落した場合、基準価額は1万6379円になります。

この場合の評価額は、積立総額である16万円に対して8万8029円ですから、7万1971円の評価損になり、その損失率は▲44.98%です。ここまで急落したとしても、積立投資の方が、まだ下落率を小さく抑えられている点は、評価できます。

そして、ここで大事なのは、皆さんが7万1971円の損失を許容できるかどうか、ということです。許容できない人は、基本的に投資には向いていません。

でも、「自分が持っている資産は投資信託だけではないし、預貯金や他の金融資産、実物資産もあって、それらの評価額からすれば、7万1971円の損失など大したことはない」と割り切れる人は、そのまま積立投資を継続するのが得策です。

何しろ、「100年に1度」と言われたリーマンショックでさえ、S&P500は約4年4カ月で、暴落前の高値を抜いてきました。

今回の急落を目の当たりにして「夜も寝られない」という気持ちになっている人は、こうした数字をしっかり読み込んで、一度冷静になってください。