7月11日に過去最高値の4万2426円をつけた日経平均株価は、7月後半にやや下げ止まる気配を見せたものの、8月に入ってから急落しました。終値ベースで前日比の下落幅は、

8月1日・・・・・・975円安
8月2日・・・・・・2217円安
8月5日・・・・・・4451円安

となったのです。特に株価が過去最大の下げ幅となった8月5日は一時、3万1156円まで下落しました。7月11日につけた高値から見ると、実に1万1270円もの値下がりです。

この暴落を見て、メディアは脊髄反射であるかのごとく、一斉に「新NISAはどうなる?」的な話を伝えました。

新NISAに対して「手を出していないです。国が推しているじゃないですか。国が推しているものにいいものがあるのかなって。何か裏があるんじゃないか」と言っていた女性タレントの言葉が引用され……。

「『貯蓄から投資へ、新NISAをやりましょう』と、国民全体で10兆円もやっちゃった。岸田さんに乗っかった人がいっぱいいるわけです。(中略)今は撤退する一手です」と言う経済評論家も。

運用会社の経営者であるにもかかわらず、「暴落だ」と叫び、結論としては「自分たちのような、本格的な長期投資ファンドを買えば大丈夫」的なコメントを言う、我田引水的な人物もいます。

マーケットなんてものは、上がれば下がります。

1990年のバブル崩壊のように、日本要因で下げるパターンもありますし、米国など海外要因で下げるパターンもあります。

過去の暴落をおさらいすると、

1987年10月・・・・・・ブラックマンデー
1990年1月・・・・・・日本のバブル崩壊
2000年4月・・・・・・ITバブル崩壊
2008年9月・・・・・・リーマンショック
2013年5月・・・・・・日銀金融緩和による5.23ショック
2015年8月・・・・・・チャイナショック
2020年3月・・・・・・コロナショック
2024年8月・・・・・・今回の株価急落

程度の差こそあれ、この37年間を振り返るだけでも、これだけの数の株価急落が起こっています。確かに、1日で4451円も下げた今回の暴落は、なかなか見ごたえのあるものでしたが、投資をし続けている以上、株価暴落は誰もが直面せざるを得ません。投資家である以上、これは受け入れるしかないのです。

ただ、ひとつだけ絶対にやってはいけないことがあります。それは、「マーケットから撤退すること」です。

冒頭でも触れましたが、「今は撤退の一手です」などと言う経済評論家の口車に乗ってはいけません。そもそも投資は、未来を信じるからできることです。未来を信じられるのであれば、株価が暴落したとしてもマーケットから撤退する必要はありません。なぜなら、「経済は今よりもっと成長して、株価は上がる」という未来を信じていることになるからです。

どうしても未来を信じられないのであれば、投資をするべきではありません。預金かタンス預金にでもしておけばよいでしょう。