業績が低調な企業でも賞与を増やす理由

まずは賞与の支給状況から。今回参考にするのは株式会社帝国データバンクによる全国1227社を対象とした調査。まず2025年の夏季賞与の支給状況※に関する回答から見ていこう。「賞与はあり、増加する」と回答した企業の割合は33.7%で昨年の39.5%から5.8ポイント減少していた。「賞与はあり、変わらない」(37.0%)、「賞与はあるが、減少する」(12.0%)はいずれも昨年から増加している。これらを合わせると「賞与あり」の企業は82.7%にのぼった。

※従業員1人当たり平均支給額

「賞与はあり、増加する」と回答した企業について、寄せられたコメントを紹介しよう。

「売り上げ・利益が順調であることによる還元と、物価上昇への対策」(不動産)、など好調な業績などを背景に従業員への還元を挙げる企業があった。

しかし業績が低調な企業でも、「営業利益は2024年と比べて大幅減となったが、人材の確保と従業員のモチベーションアップのために賞与を増やす」(機械・器具卸売)、といった声もあり、人材の確保や定着を考慮して賞与を増やす企業も少なくないようだ。

出所:株式会社帝国データバンク 2025年夏季賞与の動向アンケート