資産形成・資産運用にまつわる実践的かつ効果的な情報提供を行うMUFG資産形成研究所。同研究所のウェブサイトに掲載された論文・レポートを再編集してお届けする(掲載元の執筆日:3月26日)。
はじめに
日本では近年、人手不足を背景とした企業倒産のニュースが増加しています。また、職業斡旋サービスのCMが増えていることからも分かるように、若年層を中心に転職が日常化し、それに伴って名目賃金にも上昇の兆しがみられます。
企業はこうした人手不足への対応として、省力化投資を積極的に進めています。ファミリーレストランでの配膳ロボット、スーパーでのセルフレジ、さらには飲食店でのスマートフォンを利用したセルフ注文など、その成果はさまざまな場面で見られるようになりました。
このような人手不足の環境下で注目されているのが「高圧経済政策」です。従来の考え方とは異なり、景気の現状に対して必要以上の景気刺激策を投入することで、労働や設備といった供給面の質的向上を促す点に特徴があります。
そして、こうしたタイミングで誕生したのが高市政権です。同政権が掲げる「責任ある積極財政」は、高圧経済政策を取り入れる姿勢を示すもので、目指すゴールは供給力の強化、すなわち潜在成長率の引き上げによる名目GDPの持続的拡大にあると考えられます。
本稿では、紙面の都合上、前編で人手不足の実状について分析した上で、後編で高市政権が推進する高圧経済政策や日本経済の課題等について考察します。
