オール・カントリー(もしくはS&P500)・新NISAで投資デビューした人にとっては試練…? まずは評価額と損失率を見てみよう

恐らく、「新NISA」、「ネット証券」、「S&P500もしくはオール・カントリー」というセットで、最初は“みようみまね”で、とにかく新NISAで積立投資といって投資を始めた人たちにとっては、大きな試練だと思います。

株価急落のニュースを見て、「もう投資はやめた」「損切りしようか」と考えている方もいらっしゃると思います。

でも、よく考えてみて下さい。この2日間でS&P500は10.52%も下落していますが、それでも2024年1月からコツコツと月1万円ずつ積み立てている人の評価損は、積立総額である16万円から見て、6237円に過ぎません。仮に月3万円の積立なら、積立総額である48万円から見た評価損は1万8818円になり、積立総額から見た損失率は、以下のようになります。

・毎月1万円積立・・・・・・▲3.89%
・毎月3万円積立・・・・・・▲3.92%

「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の月初の基準価額は、2025年2月に3万4065円の高値を付けています。もし、この時の基準価額で16万円分を購入し、2万8603円まで下落した場合、損失額は2万5655円になり、損失率は▲16.03%にもなります。

それに比べ、2024年1月から積立投資を始めた人の評価損と損失率が小さく抑えられているのは、4月4日の基準価額である2万8603円に比べて、それよりも安い基準価額で買えた口数があるからです。

たとえば月1万円ずつ16回に分けて買い付けた場合の合計買付口数は、2025年4月時点で16万1236口ですが、このうち5万6114口は、4月4日の基準価額である2万8603円を下回っています。この分がバッファとなり、損失率を小さく抑えられているのです。まさに定額積立投資の効果といっても良いでしょう。

とはいえ、恐らく多くの人は率よりも、額で損失を見る傾向があります。この先、どこまで株価が下落するかは分かりませんし、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の基準価額は、株価だけでなく、為替相場の影響も受けます。円高が進めば、それも基準価額の下落につながります。