債券にも投資した方が良い?

「金利が上昇しているので、個人向け国債が良いと聞きました。今まで株式にしか興味がなかったのですが、債券にも投資しておいた方が良いのでしょうか?」

回答:債券の魅力は以前よりも増しているが、株式ほど高いリターンは望めない。長期の投資先というよりは、向こう10年以内に使う予定がある資金や、減らしたくないお金の投資先として活用を。

日本銀行によるマイナス金利の解除や利上げ(金利の引き上げ)により、個人向け国債を含む債券の金利は上昇しています。個人向け国債は、半年ごとに利子が支払われ、満期時に最初に投資した金額(元本)が返ってくる仕組みです。着実に利子が受け取れて株式のように保有期間中に価格が変動せず、さらに国が発行しているという安心感もあるので、債券初心者に向いています。

とはいえ、いくら金利が上昇していると言っても、債券投資で期待できるリターンは、株式投資のそれと比べると限定的です。新NISAのつみたて投資枠で債券に100%投資する投資信託がラインアップされていないのは、長期で資産をしっかり増やせるほど期待できるリターンが大きくないためです。

では、どのような場合に債券投資を検討すべきかというと、「減らしたくないお金」の運用先を探しているケースです。債券の良いところは、預入れ当初の利子が確約され、満期まで保有すれば投資元本がそのまま返ってくるという点にあります。資金計画が立てやすいので、向こう数年以内に使う予定があるお金の運用先に向いています。