せっかくの心遣いも無駄に…

そうこうしているうちにデートを重ねる彼ができました。彼は優しい性格で初婚、年齢も近く、大卒・会社員。年収こそ彼女の希望には届きませんが、長男ということもあり、将来的に実家を継ぐ可能性がある堅実な男性でした。

彼の家に招待された彩さんから、「何を着て行こうかしら」「何をお土産にしようかしら」とあれこれ相談を受けました。私たちカウンセラーも、彩さんの結婚を応援していますから、真剣にアドバイスをします。でも、その翌日大クレームがきたのです。

あちらのお母様もお父様も温かく彼女を迎えてくださったそうですが、「彩さんのお母様に」とお相手のお母様がお土産をくださった、その物が気に入らなかったとのこと。「おうちで召し上がってね」といただいたものは、老舗の有名店の羊羹でした。お相手のお母様が銀座まで出向き、デパートであれこれと探して用意してくださったものです。

しかし、彩さんはがっかり。「洋菓子が良かったのに!」とふくれて電話してきたのです。私たちは、「お母様にとおっしゃったんでしょ? 少し年配のお母様だから羊羹がいいかなと思われたのでしょう! ここの羊羹は高級品ですよ! あなただけでなく、あなたのお母様にまで気配りして下さるなんてとてもお優しいお母様ですね。だからそんなことを言ったらだめですよ」と彩さんに話したのですが、彩さんの機嫌は直りません。