援助のポイント・対処方法 知識があれば申請できる手当てもある
入院をきっかけに要介護4の在宅介護になったNさんは、実は2つの手当を申請することができました。一つは、お住まいの市区町村による「介護手当」月額1万5,000円。60歳以上の非課税世帯で要介護4以上の在宅介護が対象でした(※江戸川区の場合)。
もう一つ、「特別障害者手当」月額2万7,980円(※令和5年4月〜)の受給要件も満たしていたと思われます。所得判定と医師の診断書が必要になりますが、要介護4以上から支給対象になるケースが多いです。
通院にかかる医療費は、非課税世帯の場合自己負担の限度額は8,000円です。もし窓口でそれ以上に支払いをしていたとしたら、「高額療養費」の支給申請を行うことで医療費が返ってきた可能性があります。
要介護4の介護サービス利用料は月約3万円、通院は月8,000円が支払いの上限です。Nさんの家計を圧迫していた介護費・医療費合計3万8,000円は、2つの手当(合計4万2,000円)でカバーすることができたかもしれません。
また奥様の変化として、夫に対する言葉が「きつくなる」「責める」「攻撃的」になったことがありました。これは、介護の限界を超えたというサイン。速やかに専門職が介入し、「権利擁護」という視点で動くことで、救うことができたケースかもしれません。
介護のプロだけが知っている! 介護でもらえる「お金」と「保障」がすらすらわかるノート
著者名 河北美紀
発行元 実務教育出版
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