2024年10月に、子ども・子育て支援の一環として児童手当が拡充されましたので、今回は、児童手当を活用した教育資金の準備方法について解説したいと思います。
そもそも、児童手当とは何でしょうか。
1971年に施行された児童手当法は、第1条で「この法律は、子ども・子育て支援の適切な実施を図るため、父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、児童を養育している者に児童手当を支給することにより、家庭等における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的とする。」(抜粋)とあります。
そのため、父母のどちらか多い方の所得水準によって支給制限があり、支給対象となる児童も義務教育期間に限定されていました。
しかし、少子化が加速する中で、子ども・子育て支援の強化が図られ、出産育児一時金の増額と歩調を合わせて、児童手当も2024年10月から拡充されることになりました。
児童手当の改正ポイント
今回の児童手当制度の主な改正ポイントは、
① 所得制限の撤廃
② 支給期間を18歳以後の年度末まで延長
③ 第3子以降の支給額を3万円に増額
④ 支給回数を年3回(2月、6月、10月)から年6回(偶数月)に変更
となっています。
まず、所得制限の撤廃については、従来の制度において一定以上の所得がある人は児童手当を受け取ることができませんでした。
具体的には、配偶者とお子さん2名の家庭であれば、父母のどちらかの年収が1,200万円以上だと受け取れず、年収960万円以上だとお子さん1人当たり月5千円(特例給付)の支給でしたが、この所得制限が撤廃となりました。
また、従来の支給期間は中学を卒業する時まででしたが、18歳以後の年度末(高校卒業)までとなったことで、支給総額が最低でも36万円増えることになりました。
加えて、子どもの人数のカウントについても、より多くの児童手当が受け取れるように改正されました。例えば、改正前だと第1子が高校生であれば第3子(3歳以上)は月1.5万円受け取れたのに、高校を卒業してしまうと第3子は第2子とカウントされてしまい、月1万円に減額されてしまいました。
これが改正後は、第1子が22歳の年度末までカウントされるようになったため、上記のようなケースでも、第3子は月3万円を受け続けることができるようになりました。
【 児童手当の改正概要 】