一般的に40代になると、将来のライフイベントも予測を立てやすくなる一方で、そろそろ老後について気になり始める年代かと思われます。老後の年金はいくらぐらい受給できるのかを知ることで、老後の生活資金の準備を始める時に、逆算していくら準備しておかなければいけないのか目安を付けることができると考えています。40代では「ねんきん定期便」にも実際に受け取れる年金額が記載されていません。どうしたら把握できるのかをお伝えします。
また、40代というと、そろそろ身体的な変化も出始め、自身の健康状態も気になり始める頃かと思います。医療保険に入る前に健康保険制度について理解しておくことで、オーバーインシュランス(保険の入り過ぎ)を防ぎ、投資資金の捻出にお役立て頂けるのではないかと思います。
会社員の老齢年金
会社員の年金制度の概要や年金額については、「30代で知っておきたい社会保険」(※)で説明していますので、是非ともそちらのコラムをご覧頂きたいのですが、今回はまず、ご自身の年金をいくら受給できるのかを調べる方法についてご説明します。
※過去記事:実は“万が一”にも備えられる総合保険。30代会社員が知っておきたい「公的年金」の底力
40代の人でしたら記憶にあるかもしれませんが、今から17年ほど前に、誰のものか分からない5千万件あまりの年金記録が発覚した、いわゆる「消えた年金問題」が起こりました。それを機に日本年金機構が発足し、年金の被保険者には毎年誕生月に年金記録「ねんきん定期便」が郵送されるようになりました。
通常は過去1年分の納付記録が記載されたものが送られてきますが、35歳と45歳、59歳の誕生月だけは、すべての年金記録が記載されたものが送られてきます。それ以外の年齢の時に、すべての加入記録を確認したい場合は日本年金機構の「ねんきんネット」で見ることができます。
「ねんきん定期便」で注意しなければならないのは、50歳未満の人と50歳以上の人で年金額の計算方法が異なることです。50歳未満だと、それまでの加入実績に応じて65歳から受給できる年金額が記載されますので、実際の年金額よりもかなり少額になります。50歳以上の人であれば、現在の加入条件が60歳まで継続すると仮定して年金額が計算されますので、実際の年金額に近いものになります。
「ねんきん定期便」はどこかに行ってしまった、「ねんきんネット」を見るのは面倒くさいという人は、厚生労働省の「公的年金シミュレーター」を使って年金額を知るという方法があります。
「ねんきんネット」のように事前登録等は必要なく、最低限、①生年月日、②働き方(会社員)、③加入期間、④年収を入力すると年間の年金額が試算されますので、ざっくり把握したい人にはお勧めです。
【公的年金シミュレーター(例)】