<前編のあらすじ>
丹羽久美子さん(仮名)は名古屋市の自動車部品会社の経理部に勤務しています。ひとり娘が大学生になり子育ては一段落しましたが、今度はひとり暮らしをしていた母親の認知障害が進み、グループホームに入居することになりました。
丹羽さんの妹は外科医と結婚し都内のタワーマンションに住んでいます。現在は専業主婦ですが、高齢になった母親の世話を一切手伝おうとしません。
ところが、実家の片付けに出向いた丹羽さんが母親のタンス預金を300万円ほど発見した話をすると、妹は丹羽さんに無断で実家に帰り、母親が使っていたブランドバックやアクセサリーなどを持ち出してしまいました。
●前編【タワマンでセレブ生活を送る外科医夫人のはずが、一体なぜ…? 姉が驚愕した妹の「思いがけない行動」】
実家に寄り付かず、母親の世話を押し付けてくる妹
私は岐阜県出身で、今は名古屋の自宅に夫と娘と3人で暮らしています。
父は10年前に亡くなり、郷里の実家でひとり暮らしをしていた母が認知障害になって、2024年の秋からグループホームに入居しました。
その際、実家で母の荷物をまとめていると、引き出しやタンスの中などあちこちから郵便局の封筒に入った現金が出てきて、総額で300万円近くになりました。物忘れが激しくなっていた母は、近所の郵便局でお金を下ろし、それをしまい忘れていたのでしょう。
母から生活資金を入れてある口座の通帳や印鑑、キャッシュカードは預かっていましたが、それでも物入りな時期に思いがけない“臨時収入”で助かったと思いました。そんな安心感もあって、都内に住む妹に母のグループホームへの入居を連絡する際に軽い気持ちで“タンス預金”の話をしたのでした。
3歳下の妹は大学の看護学部を卒業した後、看護師として働いていた病院で出会った外科医と結婚して都内のタワーマンションに住んでいます。結婚後にセラピストの資格を取り、一時はサロンも開いていましたが、今は特に仕事をしていないようです。
子供もいないので自由になる時間はいくらでもありそうに思えますが、「忙しい」と言ってほとんど実家には寄り付かず、帰省は数年に一度程度。高齢の母親の世話はほとんど私に任せきりでした。
ところが、“タンス預金”の話を聞いた妹は思いがけぬ行動に出たのです。