老後資金問題がきっかけで無料相談に行ってみたものの…
例の老後資金2000万円問題が盛り上がっていた頃、夫に内緒で家計の専門家の無料相談に行ったことがあります。その時点で2500万円以上の貯蓄があり、相談した専門家の方には「インフレになると20~30年後にはお金の価値が半分になってしまう可能性もゼロではありません。将来に向けたインフレ対策が必要です」と変額保険への加入を勧められました。
当時の日本はデフレでした。しかし、その頃アルゼンチンで起きていたハイパーインフレの話を例に取った専門家の話はなかなか説得力がありました。
とりあえず変額保険の資料だけもらって帰りましたが、帰宅後、ネットでいろいろ調べてみたところ、変額保険は今後の経済動向によっては大損をする可能性があることや、コストの構造が分かりづらいけれどかなり高いことが分かって加入は見合わせました。
その専門家は保険の代理店業務をしていて、後から考えるとあれは「相談の形を取った変額保険の勧誘」だったのではないかと思います。
あの1件から専門家に相談するのも腰が引けてしまったのですが、今年に入ってひょんなことから別の専門家との出会いがありました。きっかけは、今のアルバイト先の同僚のお誘いでした。
アルバイトを終えた後、「五十嵐さん、この後用事ありますか?」と尋ねられたので、「ないけど」と返すと、「これから新しいNISA(少額投資非課税制度)のセミナーがあるんですけど、一緒に行ってくれませんか?」と誘われたのです。
同僚は32歳の主婦。ママ友とセミナーに出かける約束をして、子供のお迎えも実家のお母さんに頼んできたのですが、ママ友のお子さんが熱を出して急に参加できなくなったようでした。
同僚とは年齢も違うため、それまでは職場でも仕事以外の話をしたことはほとんどありませんでした。それでも私を誘ってくれたのは「しっかりしていて、お金のことにも関心がありそうだったから」だそうです。
今となってはその同僚には感謝しかありません。そのおかげで日下さんと知り合うことができたのですから。
●セミナー参加を機に五十嵐さんはIFAの日下さんと出会います。のちに絶大な信頼を抱くに至った日下さんの“有益アドバイス”とはどのような内容だったのでしょうか? 後編【老後破産も覚悟…資金不足と夫の浪費に悩む50代女性。「心配することはない」と助言した専門家の “真意”】で詳説します。
※個人が特定されないよう事例を一部変更、再構成しています。