5年ぶりに再会した同期はキラキラ上司になっていた

私は入社する少し前から男子バレーにハマり、3年前からは“推し”もできて、生活の中心は推し活です。仕事は私にとって「推し活費用を稼ぐ手段」ですから、モチベーションはゼロどころかマイナス。就業中も暇さえあれば推しの動画をチェックし、観戦ツアーで有休を取りまくっているので、上司や同僚から冷たい目で見られているのは重々承知しています。

そんな私が、あの愚鈍な華菜から鉄槌を下されるのかと思うとどんよりしました。

しかし、今さら華菜にすり寄るのもしゃくで、ちょうどパリ五輪で推し活が忙しかったこともあり、何のアクションも起こさずにいたのです。

そして、華菜マネージャーが着任する日がやって来ました。

華菜と会話を交わすのはほぼ5年ぶりでしたが、印象が昔と全然違うのに驚きました。久しぶりに会った華菜は、身に着ける服もいかにも“仕事ができる女性”風で、自信にあふれ、キラキラして見えました。

本来なら私の方から話しかけるべきなのでしょうが、何となく近寄りがたく、ろくに言葉も交わさないまま2~3日が過ぎました。すると、華菜から突然メールが届いたのです。

「瑠衣さんの予定に合わせるので、食事、行きませんか?」

別に旧交を温めたいってわけじゃないよね? もしかして、いきなり引導を渡すってこと? 華菜の考えが読めず、戸惑いました。とはいえ“上司”の誘いを断るわけにもいかず、翌週の退社後、二人で食事をしました。