年金の受け取り方について気になるところですが、65歳以降も働く人も増えています。今回ご紹介する男性は、65歳以降も働く予定のため年金を繰下げ予定だったところ、65歳で年金事務所に相談に行って初めて「繰下げできない」という衝撃の事実が発覚しました。

専業主婦の妻を亡くしたおひとりさま男性

晃彦さん(仮名・64歳)は大学卒業以来ずっと会社員を続けていました。病気もせず元気に過ごし、少し給与は下がりましたが、60歳の定年後も勤務を続けています。そんな晃彦さんの妻・亜矢さん(当時56歳)は6年前に病気で亡くなりました。亜矢さん結婚前までは会社に勤め、結婚してから亡くなるまではずっと専業主婦でした。

晃彦さんは自身の老後について、「もうあれから6年たつのか、早いもんだな。夫婦で老後を楽しむつもりだったけど、1人で老後を迎えることになるな」「自分は健康だし、仕事も70歳まで続ける予定。年金はまだ受け取るつもりないし仕事を辞めてから繰下げ受給したいな」と考えていました。

毎年届く「ねんきん定期便」に年金を繰下げした場合の年金額が記載されていて、「繰下げでこんなに増えるのか。これだけ増えるのなら長生きしても安心だな」と思うようになりました。64歳が近づく頃に老齢年金についての「年金請求書」が届いていましたが、働いているため、何も手続きはしていません。

ただ、さすがに年金のことをもう少し知っておきたいと考えるようになりました。「そろそろ65歳になるけど、年金のことが気になるから聞きに行ってみるか。この際、繰下げ制度についても詳しいことを尋ねてみよう」と思い、年金事務所に行きました。