お金の専門家の川出さんに相談に行くことに
このままではまずいと、相談に行った先がファイナンシャルプランナー(FP)の川出さんでした。
川出さんはウェブサイトを開設し、そこには「低収入、低年金で困っている方、相談に乗ります!!!」と大書されています。最初に見つけたのは妻で「私たちにぴったりじゃない」と相談する気満々だったのですが、私は経済弱者や多重債務者を相手にした詐欺ではないかと疑心暗鬼で、なかなか重い腰を上げられませんでした。
結論から言えば、川出さんは決して「経済弱者や多重債務者を相手にした詐欺」などではありませんでした。それどころか、まるで私たちが川出さんの家族であるかのように、親身になって相談に乗ってくれました。
3カ月前、初めて川出さんの事務所を訪れた時のことは今でも鮮明に記憶に残っています。
わが家の事情を事前に説明していたからでしょう。川出さんは開口一番、私に、「失礼ですが、小山内さんは健康上の問題はありませんか? チャンスがあれば、もう少し働きたいとお考えですか?」という質問を投げかけてきました。
「健康上の問題はありません。こんな老人でも良いなら、もちろん働きたいです!」
そう返答すると、川出さんは「じゃあ、まずは求職活動をしてみませんか?」と言い、パソコン上にあるウェブサイトを立ち上げました。シニアに特化した求人サイトでした。
「小山内さん、ご存じでしょうが今は猛烈な人手不足です。65歳、未経験者可で検索しただけで、こんなに求人が出てきました。小山内さんにその気さえあれば、働き口はたくさんあります。再雇用が終了するまで2年もあるわけですから、腰を据えて“第二の人生の仕事”を探しましょうよ」
川出さんの明るい声を聞いて、どんより曇った心に少しばかり晴れ間がのぞいたような気がしました。しかし、それはほんのジャブみたいなもので、川出さんがプロフェッショナルとして本領を発揮したのは、むしろその後だったのです。
●その後もFP川出さんの年金や働き方への有用なアドバイスが、不安で曇った夫妻の心を軽くしていきます。後編【再雇用終了を前に “路頭に迷う危機”を感じた63歳男性…お金の不安を解消して見えた「未来への希望」】で詳説します。
※個人が特定されないよう事例を一部変更、再構成しています。