投資対象の分散に重ねて実行できるリスク管理手法

これまで5回にわたってお話ししてきました『NISAや確定拠出年金で役立つ賢いお金の育て方』。前回は、株価変動の影響を抑制することを目的に、“何時でも”“選ばず”投資するためには、投資信託が便利であることをお話しました。また、“選ばず”投資するパッシブ運用をインデックスファンドで代替する際には、より広範な銘柄群を対象とするインデックスに連動させるものの選択が賢明であることを、世界株インデックスファンドを例にご説明しました。さらに、広範な銘柄に投資することで、いわゆる「小型株効果」も皆さまの資産運用のリターンの源泉とする効果であることをご確認いただきました。

今回(第6回)のテーマは、“自分に合わせて長期積立で「株式」に投資する〜成功確率を大きく高める”です。資産運用で失敗するリスクをできる限り抑制するには、最も重要なポイントです。これから資産運用を始めようと思う方にはぜひこの考え方を実践していただきたいと思います。またNISAや確定拠出年金などで、すでに長期積立投資を実行されている方も、本稿で改めてその効果と意義を認識し、将来投資方針に迷われた時の指針にしていただきたいと思います。

投資対象ができる限り分散されている“選ばない”投資が大前提

賢明な株式投資戦略の基本である“選ばず”“何時でも”投資をするとの立場から、本稿での株式投資も、できる限り投資対象を分散させた株式ポートフォリオを前提とします。投資対象の集中度あるいは偏り度合いによっては、本稿でお話しする傾向とは異なる成果となることにご注意ください。

重要なポイントは3点

今回のポイントは以下の3点です。
1.(長期投資) 長期にわたり継続して投資する
2.(積立/分割投資) 積立で、あるいは分割して投資することも選択肢に
3.(自分に合わせた投資) ご自身に合わせて投資比率/金額に上限を設ける