株式投資が頼りになる?
これまで2回にわたってお話ししてきました『NISAや確定拠出年金で役立つ賢いお金の育て方』。今回はその第3回として、初心者の方々も納得して実行できる資産運用の5つのポイントのうち、最も発想の転換が必要となる考え方をお話しします。
今回のテーマは、“頼りになる「お金のなる木」を探す〜株式投資の重要性を理解する”です。ポイントは株式投資を頼りになる資産運用の方法であると理解していただくことです。おそらく多くの方の印象や認識とは大きく異なるのではないでしょうか。
それでは代表的な「お金のなる木」である、株式と債券および不動産について掘り下げて比較してみましょう。
株式は環境変化に対応する「お金のなる木」
前回、価格変動が同じであれば、「お金のなる木」を保有する投資の方が投機に比べて成功可能性が高いことをご説明し、「お金のなる木」の例として株式・債券・不動産を挙げました。今回はこの3つの中でどれが一番投資する上で頼りになるかを考えます。
以下の表で株式・債券・不動産投資の特性を環境変化への対応の観点からまとめました。
※図をクリックで拡大表示
株式投資では、経営者や従業員を雇って自らの代わりに事業を行ってもらいます。したがって、生まれてくるお金の額はその業績によって変動しますが、環境変化に対しては、その経営者や従業員の努力で事業を変革することにより、比較的迅速に対応可能です。
債券投資では、お金を貸し付けた政府や企業にその返済期日や利払いに関して約束をしてもらいます。事前に定めていない限りは、その約束の内容は途中で変更されることはありません。環境が変化してもその条件を変えて対応することはできません。
不動産投資では、保有する不動産を賃貸に出し、賃料などの条件は契約で定めます。契約に盛り込まれていない限りは環境が変化しても、その条件は変更されません。もちろん貸し手と借り手が合意すれば、契約内容の変更も可能ですが、その交渉には時間がかかるでしょう。不動産投資でも環境変化に対しては迅速に対応することはできません。
株式投資だけが、継続保有したままでも、行っている事業の経営者や従業員の努力によって環境変化に対応することができます。