家計管理はほぼ完璧。では改善すべきこととは?

妻が持参した家計簿を確認した後、川端さんはこう切り出しました。

「家計管理はほぼ完璧です。食費や小遣いを今より減らす余地はあるかもしれませんが、このままでいいと思います。それよりも、同居のお子さんたちに光熱費や食費の一部を負担してもらってはいかがでしょう? 最近のアンケートだと、実家暮らしの独身社会人の6割は毎月家にお金を入れています。20代の平均額は3万3000円ほどです。お子さん1人につき毎月2万円徴収すれば、減収分をほぼカバーできます。お二人から言いづらければ、お嬢さんとは面識があるので、私の方からお話しします」

指摘を受け、なるほど、第三者ならではの合理的な提案だと感じました。親にとって子供はいくつになっても子供。正直、そんなことは考えもしませんでした。同時に、わが家の子供たちなら協力してくれるだろうという自信もありました。

住宅ローンの更新は「固定or変動」の2択ではなかった⁉

住宅ローンについては「今のローンを固定にするか変動にするのかの二択ではなく、借り換えという第三の選択肢もあります。今は10年前に比べて低金利で使いやすいローンも増えています」と助言されました。この指摘も、私たちにとっては目からウロコでした。

川端さんによれば、借り換えの手数料を負担しても借り換えた方が有利になる基準は「①ローン残高1000万円以上、②ローンの残期間が10年以上、③金利差1%以上」だそうです。③の金利差については0.5%あれば計算上は総返済額が減ることになると、エクセルシートを見せながら丁寧に説明してくれました。

その上で提案されたのが、勤務先を買収したIT企業グループが提携する金融機関のローンへの借り換えです。固定金利で0.5%という破格の条件で、川端さんの試算によると、借り換えによって月々の返済額も2万円以上減らせることが分かりました。

「このグループの傘下に入ってからろくなことがないと思っていましたが、初めていいことがありました」と言うと、川端さんは破顔一笑してこう付け加えました。