「年金22万円」ではギリギリ
年金生活でどうしてそんなに金がかかるのかと思われるかもしれません。しかし、考えてもみてください。年金の額面は22万円でも税金や社会保険料が徴収されますから、手取りは18~19万円がいいところです。
そこから住居費(固定資産税の月額換算など)1万円、食費3万円、水道光熱費2万5000円、通信費1万円、雑費1万円、交通費1万円、医療費3万円、保険料1万円、交際費2万円、小遣い2万円……と引いていったら、あっという間になくなってしまいます。運転は止め、車は昨年息子に譲りましたが、今のわが家ではタクシーに乗るのさえ贅沢です。
リタイアした頃には親の遺産や退職金も入りましたから、2000万円近い貯蓄がありました。でも、この10年余りで家のリフォーム、息子の結婚式や住宅資金の援助、歯科治療などに、それぞれ100万円以上を支出。
加えて、70代にもなると毎年10件以上は身内や仕事関係、同級生などの葬式があります。亡くなったのがきょうだいや親しい友人、仲人、サラリーマン時代にお世話になった方だと、遠方でも足を運ばざるを得ませんし、香典もそれなりの金額を包む必要があります。
かくして、私の2000万円近くの預金残高はたちまち1000万円を切ってしまいました。さらに、ここに来て大きな支出を余儀なくされ、経済的な不安をさらに強く感じるようになったのです。
●突如発生した想定外の支出とは?
続きは後編【年金暮らしがさらに厳しく…70代男性を追い詰めた“想定外の支出”】で解説します。
※個人が特定されないよう事例を一部変更、再構成しています。