結城夏美さん(仮)の姉の梓さんは実家に出戻ったあと一向に働く様子がなく、ここ数年は姪と男性アイドルグループの“推し活”に夢中です。

元義兄からもらっている姪の養育費があると聞かされていましたが、それは姉が自分を正当化するための嘘でした。それどころか、姉は両親から毎月15万円もの資金援助を受けていたのです。

3年前に父が亡くなって年金が大きく減り、先行きが不安になった母から相談を受けた私が「そろそろ経済的に自立したら?」と姉に助言したところ、「あんたに私の何が分かるの⁉」と逆ギレされました。

●両親が毎月お金を……姉が隠していた驚愕の事実
※前編【仕事もせず実家で「推し活」に没頭…父の死後に発覚した“姉の嘘”】からの続き

夫の紹介でお金の専門家に相談

母からは姪の進学資金を少し都合してくれないかという打診もありましたが、我が家もマイホームを購入したばかりの上に年子の息子たちの中学受験も控え、それほど余裕があるわけではありません。

夫に「ホントにお母さんはお姉ちゃんに甘いんだから」と愚痴ったら、「役に立てるか分からないけれど」と紹介されたのが、仕事上の付き合いがあるシングルマザーのファイナンシャルプランナー(FP)、友田さんでした。

「友田さんも離婚した当初は相当苦労したらしいから、梓さんとも腹を割った話ができるかもしれないよ」

幸い友田さんも「結城君の頼みなら」と快諾してくださり、最初に私が友田さんと話をすることになりました。面談の場所に指定されたのは、友田さんが主宰する月1回の「シンママの会」。そこには20代から50代くらいまで、10数人の女性たちが顔を揃えていました。

私を見て「新入りさんなの?」と誰かが言うと、「ううん、この人は婚姻中」と友田さん。「バツがついたら、いつでも歓迎しますよ」とまた別の人。

友田さんの事務所にメンバーが手料理やスイーツなどを持ち寄り日頃の憂さを晴らし合う会だそうで、話題は学校給食の無料化からFRBの利上げまで多岐に渡り、中には姉や七海の“推し”の男性アイドルグループの一部メンバーの脱退発表を嘆く声もありました。

ふと、「姉もこういう人たちと一緒に盛り上がれたら楽しいんじゃないかな」と思いました。私のそんな思いを見透かしたかのように、友田さんが「私ね、あなたのお姉さんをシンママの会にスカウトしようと画策しているの」といたずらっぽい笑みを浮かべました。