群馬県内の自動車部品工場に勤務する久保田雄司さん(仮名、43歳)は、両親と妻の翠さん、長男の悠真君と5人で暮らしています。悠真君は地元の中学校で成績が学年トップを争う秀才で、ライバルの影響から高校はボーディングスクール(全寮制の国際高等学校)に進学したいと言い出します。

しかし、年間約500万円という高額な学費を捻出する余裕などない久保田さん。妻の翠さんは銀行から教育ローンを借りてでも悠真君の望む教育を受けさせるべきと主張し、久保田さんの父親も「援助は惜しまない」という姿勢でした。

ところが、この話を聞いた久保田さんの弟が激怒。「身分不相応」と断じ、悠真君自身も進学先を変更した方がいいのかと悩んでしまいます。そんな時に弟の妻(義妹)から電話がかかってきて、思いがけないことを言われたのです……。

●「こんな田舎の…」弟が放った衝撃の一言
※前編【「親に似てない」孫を祖父が露骨に“ひいき”…激怒、苦悩、大修羅場へ】からの続き

義妹に紹介された「お金の専門家」に相談

親に似ず優秀な息子・悠真は私の自慢でしたが、中学生になった悠真が勉強のライバルであり親友である漣(れん)君と同じボーディングスクールに進学したいと言い出したことで、わが家は突然1500万円もの学費をどう捻出するのかという大問題に直面しました。

進学の意志を知った私の弟から「工員の息子が通うのは身分不相応」と言われ傷ついた悠真を見ると、経済力のない自分が情けなくもなりました。そんな時に義妹が紹介してくれたのがファイナンシャルプランナー(FP)の道畑さんです。

「私自身も上の子が生まれて仕事に復帰した頃は大変だったんです。残業が多い月はベビーシッター代が何十万円にもなって、何のために働いているのか分からなくなりました。そんな時、道畑さんが『もらえるお金と使えるサービスをとことん利用しなきゃ』と言って、夜間保育をしている保育園や助成金、私立の奨学金制度のことをいろいろ教えてくれたので本当に助かりました」

しっかり者の義妹がそれだけ信頼を寄せる人ならと早速道畑さんと連絡を取ったところ、「悠真君とも会ってみたい」と出張を利用してわが家まで足を運んでくれることになりました。当日、大きなカバンを持って現れた道畑さんは笑顔が似合うショートカットの小柄な女性で、悠真が小学校時代に大好きだった担任の先生を思い出しました。