米国留学の夢にも近づけるように
就職が決まった後、「好きな美術史の勉強がしたいので、将来は米国に留学したい」と打ち明けた私に赤井さんが勧めてくれたのが、つみたてNISA(少額投資非課税制度)と米ドルの積み立て購入でした。
「少額から始められて、購入タイミングも分散される積み立て投資が資産形成の王道だということは分かるよね。つみたてNISAは最大20年、運用益に課税されないお得な制度なんだ。積み立て商品も金融庁のお墨付きを得た手数料の安い投資信託ばかりだから、木下さんのようなビギナーでも使いやすいと思うよ。もう1つは外貨。最近、ドルが高くなり過ぎて留学の資金計画が狂ってしまったという話をよく聞くんだよね。中には留学を断念した人もいた。木下さんが留学する時に円高になっているとは限らないから、今からある程度の資産をドルで持っておいた方がいい。ドル円相場は政治や金融政策などの影響が強くてボラティリティが大きいから、ドルコスト平均法で平均取得価格を抑えることが大切だね」
投資詐欺の前だったら大きなクエスチョンマークがついたはずの「ボラティリティ(変動率)」や「ドルコスト平均法(資金を分割して均等額ずつ定期的に継続投資していく方法)」という金融用語も、今は当たり前のように理解できるようになりました。入社後の4月からつみたてNISAとドル積み立てをスタートし、給料から月々2万円ずつを拠出しています。初任給は手取りで20万円ほどですが、家計管理のコツを習得したので節約しなくても投資や貯蓄ができています。今の職場は芸術家肌の人が多く、こんな私でもしっかり者と思われているらしく、「少し前にはマルチ商法に引っかかりかけた」と話すと、「木下さんが? あり得ない!」と言われます。