確定拠出年金は運用しないと本当にもったいない

私は、DCは『運用の入口』のような存在だと思います。実際企業型DC加入者のほとんどは、初めて投資信託という金融商品に触れられたと思いますが、実際の運用状況をみると、約1,000万人もいるDC加入者の資産のうち、約半分が「元本確保型」といわれる預金や保険商品に配分されています。

この理由として、未経験者や運用に苦手意識のある加入者のほとんどが、株式や債券といった運用商品にある“リスク”という言葉に不安を覚えていることが挙げられます。『資産を減らすくらいなら利息は低くても元本確保型の方が安心』というのが根底にあることです。

この“リスク”については、次回以降詳しく説明しますが、実はDC制度というのは企業型でもiDeCoでも、他の制度に比べてそのリスクは高いものではありません。

今日皆さんにお伝えした節税効果は、DC運用を行う加入者が身近な部分で得られるメリットの一つとして非常に重要ですが、真の目的を果たせるものではありません。前述の通り、DC運用はリタイアメント生活資金を目的として、国の年金制度を補完する「自分のための年金づくり」が真の目的です。併せて、来年の法改正では企業型加入者が原則iDeCoへの加入も許容されます。前回のコラムで述べましたが、老後を見据えた年金づくりを個人自らの責任で運用する時代に、いよいよ本格的に移行しています。

満足する年金受給=従来の退職金制度に依存する

このコラムを読んでくれた皆さんには上記のイメージがおわかりいただけると思いますし、「DCは運用しないと本当にもったいない」という意味をご理解いただければと思います。

次回は具体的な運用商品の選び方・リスクについてご紹介します。