すべての加入者が最適な運用ができるように 

この一年、私は貴重な機会を頂戴し、このコラムを読んでくださる皆さんにDC運用に少しでも関心を持っていただき、ご自身に見合った最適な運用ができるよう、少しでもお役に立てばと思い、筆耕させていただきました。私どものお客様の中にも、このコラムを読んでくださっている方がいらっしゃり、ご自身のDC運用を見直されたと非常に嬉しいお言葉を頂戴することもあり、長年DCに携わってきた私自身、大変嬉しく思っています。

今回は、これまで私が皆さんにお伝えしてきたDC運用との向き合い方を総合してお話したいと思います。各トピックの詳細については、お時間のある時に各コラムをお読みいただければと思います。

正しい知識を持ち、メリットを最大限活かせる運用を

実際に運用される加入者の皆さんにとって、DCからもたらされる恩恵は2つ。ひとつは税優遇、もうひとつはご自身が将来受け取る年金を増やすことができることです。

DCはご自身が受給可能年齢月に達するまで、現金化することができない、長期運用です。長期間運用するということは、掛金を運用することで増えていく運用益の額も大きくなるということです。それに対して発生する課税が免除されるということは、実際ご自身が年金として受給する上で非常に大きなメリットです。

またもうひとつの恩恵、こちらはDC運用本来の目的ですが、毎月掛金を拠出・運用することでお金がお金を生んでくれます。それによって将来受け取る年金をご自身で増やす事ができるのです。

とはいえ、ただ何もせず勝手に大きな利益を運んできてくれるというものでは当然ありませんので、こうした恩恵をきちんと享受するためには、DC運用について正しい知識を持ち、適切な選択を加入者自身が理解し、行動しなければいけません。

ただ大変残念なことに、現在DC運用している加入者の多くが、これを実行できていません。この原因として挙げられるのは『運用に対する苦手意識』と『長期運用による運用意識の薄れ』です。「専門的な金融知識が自分にはない」「素人が運用したら絶対損をする」という、DCに対して非常に複雑で難しいというイメージを抱いてしまい、加入者自身が行動意欲を削がれてしまっているのと、他の金融取引のように1分1秒を争う売買をするものではなく、手元で見えないためと推測できます。

しかしこれらの理由を盾に運用と向き合うことは、ご自身で運用というハンドルを離してしまっていることになり、本来もらえるべき年金を自ら減らすという結果を招いてしまいます。この2つの原因は加入者自身で解決できます。今一度、DC運用とはどういったものか、ゆっくり見直していただければと思います。