お金を知る上で必要なこと─ 金融リテラシーとは ─
2020年から世界を大混乱に陥れている新型コロナウィルスの感染拡大ですが、ここにきて国内における感染の広がりも落ち着きを見せ始め、観光・サービス業を中心に規制緩和の動きが一気に加速してきている一方で、大幅な円安や資源物資供給の滞りなど、急激なインフレが私たちの日常生活に大きな影響を与え始めています。
私たちの業界では、よく“金融リテラシー”という言葉が使われます。この“金融リテラシー”の意味ですが、簡単に言うと皆さん一人ひとりの『お金に関する知識や判断力』を指します。日常生活を過ごす中で、受け取るお金や支払うお金、貯めるお金や運用するお金など、皆さんは色々なシーンでお金と関わりを持っていますが、今回のインフレを踏まえ、これからDC運用を始めたいとお考えの皆さんや、運用初心者の皆さんにぜひ知っておいて欲しいことを簡単にお話したいと思います。
先ほど“金融リテラシー”とはどんなものか説明しましたが、DC運用シーンに当てはめる場合は、『お金に関する知識=運用に関する基礎知識』、『お金に関する判断力=自力運用力』に置き換えて考えてみてください。
運用に関する基礎知識、これは企業型DC加入者の皆さんであれば導入教育や継続投資教育による知識習得が該当しますし、自力運用力は加入者個々による実際の運用が該当します。
以前、別のコラムでもお話ししましたが、普段私がDCの現場で遭遇する課題の多くが、この2つのバランスの悪さです。つまり、加入者の皆さんの中で学習した知識が実運用に活かされていないという事です。このバランスの悪さを生んでしまっている原因には、やはりDC加入者の金融リテラシーが大きく起因しています。