豊かな将来を築くのはあなた次第 ─ 自分の資産は自分で守る時代へ ─
昨年、日本はDC法施行20周年という節目の年を迎えました。国内企業の退職金制度においては、2021年3月末時点のDC加入者は延べ約941万人となり、企業が運用する確定給付年金を初めて上回りました。そして今年2022年、確定拠出年金法の大きな改正が段階的に施行されています。具体的な改正内容は別のコラムで解説していますので割愛しますが、今年施行されている改正は、老後を見据えた年金づくりを個人自らの責任で運用する時代に、日本がいよいよ本格的に移行したといえる内容です。
昨今より世界中で猛威を振るっている新型コロナウィルス蔓延による社会活動の低迷・制限や、戦争による資源や物資の滞り、急激なインフレの進行や大幅な円安など、世界の情勢が私たちの日常生活にも甚大な被害を及ぼしてしまっている今、自分の資産は自分で守る、自分の資産は自分で増やすという意識の高まりが顕著に表れてきています。別のコラムの中で申し上げましたが、DCは『運用の入口』だと考えています。企業型DC加入者の大半が福利厚生として運用を始めたという方々ですし、今後さらなる増加が予想されます。
それを踏まえ、最後に私から皆さんに忘れないでほしいと思うことがあります。DC運用は、リタイアメント生活資金を目的として、国の年金制度を補完する「自分のための年金づくり」が真の目的です。しかし残念ながら、企業型DCを運用する加入者の多くが、その目的がわかっていながらも運用に対する関心が低く、誤った運用を行っています。今の年金制度が、将来皆さんが年金を受給する際、同じである保証は一切ありません。
なぜDCを採用する企業が急増しているのか? 税優遇という大きなメリットはありますが、企業を取り巻く様々な環境の変化(外的要因による売上減少や若年層人口減少による高齢者労働力への依存、社会保険料の引き上げ等)が、企業活動を維持する上で多大な影響及ぼしているのも大きな要因です。そして国として個人による資産運用がより一層活発化している状況下において、現在運用をされている皆さんがすべきことはひとつ、運用は自分のためと改めて自覚していただき、ご自身に見合った最適な運用をぜひ行っていただければと思います。皆さんの将来が明るいものとなることを願っています。