運営管理機関や会社の投資教育を積極的に活用しよう
普段、運用に慣れていない多くのDC加入者の皆さんからいただく質問で圧倒的に多いのは、「自分の運用が正しいのか、自信が持てない状態で運用することに不安を感じているが、誰に聞いて良いかわからない」という点です。
DC商品サービスを提供する運営管理機関や企業が実施する投資教育(継続投資教育)では、運用を初めてやる方でも理解できるよう、これから運用する上で必要な知識や考え方など、非常にわかりやすく構成されたテキストや資料が提供されています。
しかし、こうした投資教育を提供されているのにもかかわらず、なぜ前述のような不安を感じてしまうのでしょうか? それは最終的な選択・判断は加入者個々に一任されており、「それは違う」や「これを選びなさい」といった具体的な指図をしてもらえないためであろうと推測できます。その代表的なものが、数多くある金融商品の中から自分が選ぶべき商品はどれかという、個別商品の推奨がないことです。
運営管理機関や企業のDC担当者は、意図的に指図をしないわけではありません。個別商品の推奨行為をしてはいけないと、法律で定められているためです。そのため初心者の皆さんにとってみると、最後の最後、「この商品を選んでおけば間違いなく大丈夫」という最初の段階で一番知りたい部分が欠損した状態で運用を開始してしまいますので、以降の運用には常に不安が付いているということです。初めて運用を経験する加入者が一番望んでいることは、実は法律という大きな壁によって遮られてしまっているというのも事実です。
そもそもDCはじめ個人資産の運用には、『絶対こうあるべき』という明確な答えはありません。金融の動向は常に変化しており、仮に運用開始時に最適と思って選択した商品があったとしても変化しますし、運用は世代に応じて変化させることが重要です。自分はどの商品を選べば大丈夫なのか?という悩みは、今から運用を始める加入者の皆さんだけでなく、運用している全ての加入者がもっとも知りたいことであり、運用を終えるまで常に付いて回ります。長期間、しかも変化する・変化させる運用の当事者である以上、やはりDC運用に対して総合的な理解と知識は不可欠ですし、それをサポートしてくれる投資教育は非常に有効な手段であると思います。
枝を見るより幹を見る、今ご自身の運用に不安を感じている方は、ぜひ投資教育の重要性を再認識してもらえればと思います。