健康保険、税金も膨大かつ煩雑な手続きが必須

健康保険にしても同じです。健康保険のプランが5種類くらい提供されていて、それぞれ月々の保険料、診療にかかる基本費用、入院したときに自己負担になる額、さらにはかかることのできるクリニックや病院が異なります。「ニーズに応じて自由に選んで」とありますが、「そう言われても自分のニーズが何なのかもよく分かりません!」と叫びたくなりました。

税金だって大変です。アメリカでは「タックスリターン」と呼ばれる確定申告を皆がすることになっています。それ用のソフトウェアを購入し自分で申告する人もいますし、ちょっと難しい人はお金を払って人にやってもらいますが、とにかく申告の責任は個人にあり、申告が必要なのに遅れたり、しなかったりすると罰金があります。税金は、月々の給料から源泉徴収で納めつつ、最後の申告をしてから不足分を追加で支払ったり、必要以上に納めていた場合はタックスリファンドとして戻してもらいます。その源泉徴収でさえ自動ではなく、自分で適切額を決めなくてはなりません。扶養者の数やその他税控除になる条件などを考え合わせ、自分の源泉徴収レベルを設定するのです。

日本で働いている間、源泉徴収も年末調整も会社で自動的にしてもらい、健康保険も選ぶ必要もなく、しかもその保険はどこの病院に行っても同じように使うことができ、さらに資産運用も皆がしている社内積立をあまり考えもなくしていたくらいの私には、ガツンと頭をハンマーで殴られたくらいの衝撃でした。

その衝撃からなんとか立ち直り、ゆっくりと歩き始め、ひいては「パーソナルファイナンシャルプラナーになろう」という決意に行き着いたわけですが、そのお話はまたゆっくりと。