堅調な米経済と来週のリスクシナリオ

今週、米国では地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表されました。戦時下ではありますが、各地区からの報告は必ずしも悲観一色ではありませんでした。例えば、全12地区の内、「小幅」または「控えめ」ながらも経済活動が拡大したとの報告が8地区に及びました。また2つの地区は横ばいにとどまっており、経済活動が縮小したとの報告は2地区だけでした。もちろん、先行き不透明感が強く、予断を許しませんが、すぐにも利下げを必要としている状況ではありません(スライド12)。

 

米経済の事前推計値の一つ、ウィークリーエコミックインデックスも4月9日現在、前年比2.7%成長を記録しています。当面FRBは今月のFOMCを含め、様子見を続けると考えられ、金融政策面でのドル安圧力も生じにくいと考えられます(スライド13)。

来週のポイントです。停戦期待によるリスク選好地合いに一服感もみられるでしょ う。この為、今週進んだ原油安、株高、ドル安、円安も少し落ち着きを取り戻すと考えられます。来週は協議の行方をにらみながら、翌週の中銀週間を控え、様子見が強まりそうです。依然として円は弱いままですが、ドル円についてはやはり介入警戒感が重しとなり、上値も重そうです。

従って、円安が進むとすれば引き続きクロス円中心とは考えられますが、原油相場が下げ渋る場合、ドルも底堅さを保つでしょう。その場合、他通貨の上昇も阻まれることからクロス円の上昇も失速しそうです。尚、来週のリスクは停戦交渉の決裂でしょう。マーケットは停戦を織り込みつつあるだけに市場が強く反応するのは逆サイドに振れた場合です。

その際、有事のドル買いの再燃と円ショートの手仕舞いにより、ドルも円も強くなると、クロス円は急反落します。可能性の低いリスクシナリオではありますが留意が必要です(スライド14)。

 
 

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