ドル全面安も底堅さ残る背景とは

今回は「日銀、今月の利上げは見送りか」について解説します(スライド1)。

 

4月10日の終値と4月17日16時現在で比較した主要通貨の対ドル変化率をみると、ドルが全面安となっています。停戦協議進展への期待から緊張が和らいでおり、市場では原油価格とドルが反落した一方で株式相場と債券相場が持ち直しています(長期金利は低下)。但し、円はそのドルに次いで弱く、他の通貨に対しては軟調に推移しました。ドルも円も弱い場合、クロス円が上昇します(スライド3)。

 

ドル指数をみると、昨年来、上値抵抗線となってきた100近辺で続伸を阻まれました。「有事のドル買い」のはく落により、今週は98付近まで軟化しています。ただ、ここからドル安基調に転じる可能性も低いとみています。理由として次の2点が挙げられます(スライド4)。

 

はじめに原油相場の動向です。上昇はピークアウトしましたが、ホルムズ海峡封鎖が完全に解除されるのか、懸念が残ります。その上、戦争による攻撃により、パイプラインや再選施設も損傷を受けており、供給力の低下が見込まれます。開戦前の水準まで原油価格が戻り切らないとすれば、石油輸出国であるアメリカおよびドルにとって一定の優位性が残ることになります(スライド5)。

 

また、原油価格の上昇がピークアウトしたことにより、ECBやBOEに対する利上げ観測も和らぎました。これまでこうした利上げ観測の台頭によるユーロ高ドル安やポンド高ドル安がドル押し下げた面もありましたが、こうした経路によるドル安圧力も和らぐと考えられます(スライド6)。