ドル円160円台維持の背景と日銀の自然利子率見直し
今週のドル円は依然160円で上値を抑えられ、狭い値幅にとどまりました。ただ、下値も着実に切り上がっており(図中の赤線)、160円到達は時間の問題と映ります(スライド2)。(※動画収録後、ドル円は160円40銭近辺まで上昇し、160円台を維持して越週)
ドル円は、本日16時前後から上昇し始めましたが、その背景に日銀レビュー「自然利子率の動向と金融緩和度合いの評価」が挙げられます。
この中で日銀は自然利子率を従来の▲1.0~0.5%から▲0.9~0.5%へわずかに上方修正しました。景気を加熱も冷ましもしない中立金利はこの自然利子率にインフレ期待やインフレ目標2%を加えたものとされ、現在1.0~2.5%です。政策金利が中立金利よりも高い場合、金融政策は引き締め、低い場合は緩和的と評価されますが、日本の政策金利は現在0.75%ですから依然として日本の金融政策は緩和的です。
それだけに、今後も日銀は利上げを続ける意向ですが、市場ではこれまでの日銀の慎重なスタンスに照らし、利上げの天井を中立金利のレンジ(1.0~2.5%)の下限付近とみてきました。
過去の動画で指摘した通り、昨年12月に日銀がこの自然利子率の再評価に着手してから、「自然利子率の上方修正⇒中立金利の上方修正⇒利上げの天井引き上げ⇒利上げ継続期待の高まり⇒円安期待の後退」が意識されてきました。ところが、再評価後も中立金利は従来とほぼ同じ1.1~2.5%です。市場では引き続き日銀の利上げの天井がそれほど高くないとみなされ、今後も一定の円安期待が持続することになりそうです(スライド3)。
