<前編あらすじ>

30年以上ひきこもり状態にある50歳の兄について、弟の智樹さんが社労士の筆者のもとに相談に訪れます。

兄は発達障害と抑うつ状態の診断を受けていましたが、長年、障害年金の申請手続きを放置していました。

智樹さんの協力と筆者の支援により、過去5年分の遡及支給(約400万円)と以降の受給が認められましたが、半年後、智樹さんから「困ったことになった」と連絡が入り、事態は急展開を迎えます。

●前編:ひきこもりの50歳兄は貯蓄ゼロで無収入…48歳弟が抱く後悔と苦悩「母の貯蓄もわずかで先行きが心配でなりません」

一括で振り込まれた400万円の「驚きの使い道」

智樹さんから連絡を受けた筆者は、再び面談をすることになりました。

智樹さんは険しい表情のまま、申し訳なさそうに言いました。

「実は……兄が一括で振り込まれた400万円のほとんどを使ってしまったのです」

「えっ? そうなのですか!」

驚きのあまり筆者は大きな声を上げました。

「年金が入ってきた後、兄はスマホゲームを始め、課金が止まらずにお金をすべてつぎ込んでしまったのです。一度に大きなお金を手にして気が大きくなったのか定かではありませんが、本当に情けない話です。一体何を考えているんだか……もう兄に金銭管理を任せることはできないと判断しました」

筆者は黙ってうなずき、話の続きを聞くことにしました。

「そこで、兄の通帳とキャッシュカードを母か弟の私が管理することも考えました。しかし、兄は一向に聞く耳を持たず、それらを渡そうとしませんでした」