相続税評価額は1億円超…予想外の資産に驚愕

そんな叔母から、「大事な話があるので、週末、一度、名古屋に来てくれない?」と連絡を受けたのは昨夏のことでした。

大事な話と聞いて、ピンと来ることがありました。

一緒に旅行に出かけた際、叔母から何度か「私の財産は全部、茉莉花に譲るから」と言われたことがありました。80歳を迎えた叔母は“終活”に熱心になり、家の片付けに取り掛かったり、金融資産の整理を始めたりしていました。恐らくは、相続のこともしっかり決めておこうと考えたのでしょう。

ちょうど仕事が忙しい時期だったため、名古屋行きの新幹線に乗れたのは叔母から連絡を受けた2週間後、9月に入ってからでした。

叔母の家では、見慣れない女性が叔母と一緒に私を迎えてくれました。「司法書士の稲垣さん、私の相続の相談に乗ってくれているの」と紹介されました。思った通り、叔母は財産の承継について遺言書を作成しようとしていたのです。

稲垣さんは30代くらいのハキハキした感じのいい女性で、明るめに染めたボブヘアに淡いオレンジのニットが良く似合っていました。司法書士だと紹介される前は、叔母の介護を担当する方かと思ったくらいです。

稲垣さんは早速、資料を見せながら叔母の相続財産について詳しく教えてくれました。驚いたのは、叔母には自宅不動産の他にもそれなりの金融資産があり、さらに、叔父が残した勤務先の株式が大きく値上がりしたことで、全部ひっくるめた相続税評価額がゆうに1億円を超えていたことです。

思わず、「叔母ちゃん、すごいお金持ちだったんだね。今のうちにもっと使った方がいいかもね」と軽口を叩いたほどです。叔母は、「この年になると、使うと言っても限度があるのよ。今さら世界一周クルーズに出かける体力はないしね」と笑っていました。