62万円以上の障害厚生年金が支給される

史恵さんには障害厚生年金として年間62万3800円(2025年度)が支給されるようになります。3級で障害基礎年金がない代わりに、厚生年金の加入期間が多くない史恵さんでも62万3800円は最低保障として支給されることになっています。

「社会保険に入っているとこういう時に助かるのか……。月5万円以上の年金があるのは大きいな」と、過去に受けた傷病手当金だけでなく障害厚生年金を受けられ、社会保険加入の意味を改めて大きく感じるところでした。史恵さんはそのまま障害厚生年金を請求し、その支給が始まることになりました。障害厚生年金についてはその後働いて収入があっても支給は調整されないことになっています。

今後も厚生年金に加入し続けることを決意

史恵さんは将来65歳を迎えた際の老齢年金についても気になる歳になっていたため、そのことも職員に質問していました。史恵さんが65歳を迎えると、62万円以上の障害厚生年金よりも多い、2階建ての老齢年金(老齢基礎年金と老齢厚生年金)を受けることになる見込みです。代わりに障害厚生年金は支給停止となります。これから引き続き厚生年金に加入することができれば、将来の老齢基礎年金だけでなく、老齢厚生年金の額も増やすことができます。これを聞いた史恵さんは、今後も無理のない範囲でできる限りパートで働き、厚生年金に加入し続けることに決めました。

社会保険は保険料の負担もあることから、加入を躊躇する人もいますが、老後の年金だけでなく、不測の事態が生じたときの保障として大きな意味を持つことにもなります。未加入だった場合と比べ、手厚い保障となるでしょう。

現在(2024年10月以降)、従業員51人以上の事業所に勤務する場合は週の所定労働時間が20時間でも社会保険の加入対象となります。この従業員数の要件は今後改正で2027年10月からは36人以上、2029年10月からは21人以上、2032年10月からは11人以上で対象となり、最終的に2035年10月からは10人以下の事業所まで拡大されます。これから加入を検討する場合、今後の改正点も含めて確認してみましょう。

※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。