計画性皆無の人生に感じた危機感
叔母と比べると、私は計画性が皆無で、行き当たりばったりの人生を送ってきました。大して多くもない給料を美容や美食や趣味、旅行、さらにはキャリアアップのセミナーなどに注ぎ込み、仕事や人間関係でストレスが溜まってくると深夜のポチり買いが止まりませんでした。
叔母のように30代で自宅マンションを購入するなどできるはずもなく、50を目前にした今も毎月リノベしたデザイナーズマンションに安からぬ家賃を払い続けています。昨年からはNISA(少額投資非課税制度)の積み立て投資を始めましたが、この分を除けば、預金残高は200万~300万円の間を行ったり来たりです。退職金が2000万円くらいは出そうなので、老後資金の不足分はそこで埋め合わせるしかありません。
太い実家があれば相続に期待できるのかもしれませんが、我が家の場合は兄一家が同居して両親の面倒を見てくれており、両親が常に「お金はないよ」と言っているのと、地方の実家不動産が二束三文にしかならないことを考えると、当てにしない方が良さそうです。
先の同窓会を機に、「来年には50になるのにこのままではさすがにマズイ」と思い始め、独り身で老後に突入しても何とか暮らしていけるような資産の確保と家計の見直しを目指し、お金の専門家に相談しようと考えました。
そうして探し出したのが、ファイナンシャルプランナー(FP)の野中さんです。野中さんはウェブサイトで家計相談の連載を持っており、相談者に寄り添った、時には優しく時には厳しい、丁寧な回答ぶりが印象的でした。
思い込みの強い私は「自分を救ってくれるのはこの人しかいない」と、野中さんの門を叩くことにしたのです。それが今年6月のことでした。
●果たして、長嶺さんは安心して老後を迎えるための道筋を見つけられるのでしょうか。後編【「確かにお金も大切だけれど…」おひとりさま老後に備える48歳女性にFPが伝えた“人生の後半戦で最も重要な資産”】では、具体的な家計改善策と、長嶺さんの人生観を大きく変えたアドバイスに迫ります。
※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。
