9/29週のポイント
来週の注目イベントとポイントを見ておきましょう。来週は日本では日銀の短観、植田総裁の記者会見を控えますが、やはり週末の雇用統計に注目です。(スライド18)
そこで雇用統計の非農業部門雇用者数の動きを振り返っておきましょう。9月分については、現在約5万人の増加が予想されています。通貨オプション市場のボラティリティから計算しますと、現時点で市場は3円から4円の値幅を想定しています。仮に、予想を大きく下回った場合、年内複数の利下げの織り込みが進展し、ドル円は下落するでしょう。
ただ、来年の年末までに150ポイントの利下げを織り込んでいたFOMC前でさえ、ドル円の下値が145~6円だったことに照らせば、雇用統計が予想を下回った場合も147円割れ程度までと予想します。反対に予想を上回った場合は、今週の動きに照らせば150円台の回復がみられそうです。(スライド19)
著者情報
内田稔
うちだみのり
高千穂大学 教授/FDAlco 外国為替アナリスト
1993年慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、東京銀行(現、三菱UFJ銀行)入行。マーケット業務を歴任し、2007年より外国為替のリサーチを担当。2011年4月からチーフアナリストとしてハウスビューの策定を統括。J-Money誌(旧ユーロマネー誌日本語版)の東京外国為替市場調査では、2013年より9年連続アナリスト個人ランキング部門第1位。2022年4月より高千穂大学に転じ、国際金融論や専門ゼミを担当。また、株式会社FDAlcoの為替アナリストとして為替市場の調査や分析といった実務を継続する傍らロイターコラム「外国為替フォーラム」、テレビ東京「ニュースモーニングサテライト」、News Picks等でも情報発信中。そのほか公益財団法人国際通貨研究所客員研究員、証券アナリストジャーナル編集委員会委員も兼任。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカルアナリスト協会認定アナリスト、国際公認投資アナリスト、日本金融学会会員、日本ファイナンス学会会員、経済学修士(京都産業大学)
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