自民党総裁選は為替相場にどう影響する?
加えて、足元では自民党総裁選後の財政拡張期待も円安に波及している可能性があります。財政拡張が円安に波及する経路として、金融緩和の長期化が挙げられます。政府の財政拡張に足並みを揃え、日銀の利上げが遠のく場合です(➀)。
次に財政拡張がいわゆる悪い金利上昇と円安に波及するシナリオです(➁)。ただし、現在こうした動きはみられていません。
また、株高がリスク選好地合いを演出し、円安を誘発する経路もあります(➂)。現在、まさに日経平均株価の騰勢が続いており、円安に作用している可能性があります。
最後が実質金利の低下です(④)。足元のインフレに財政拡張が被されば、一段とインフレが加速する恐れがあります。インフレ率の上昇に日銀の利上げが追いつかない場合、実質金利が低下し、円安に波及しそうです。(スライド16)

ドル円のレンジ相場が続いてきた為、投資家の見方も割れているようです。例えば、長い目線で投資をするとされる年金などを含むアセットマネージャーズは円高方向を見据えた円ロングです。一方、動きの速いヘッジファンドが含まれるレバレッジとファンド勢は円安を見越した円ショートといった具合です。(スライド17)
